2009年8月26日水曜日

ローソンはマツキヨと組んでなんかいいことあるのか

ちょっと遅くなったけど、ローソンとマツキヨの提携について、彼らの製品構成からメリットを考えようと思います。

● 商品構成
ローソン:食品(弁当、カップラーメン 等)、日常品(菓子、シャンプー、サプリメント 等)、雑誌、予約サービス、代金引換サービス 等
マツキヨ:医薬品、日常品(菓子、シャンプー、サプリメント 等)

● 基本情報
ローソンの店舗数9527、売上1.5兆円
マツキヨの店舗数659、売上4000億円


さて、この提携の根底には、2009年の薬事法改正による、コンビニでのOTC薬品の販売が可能になることがあるのは、皆さんのご存知の通り。

実際、セブンイレブンは調剤薬局シェアトップのアインファーマシーズと提携している。
彼らの提携はわかりやすいんですよ。製品を卸す薬局と、流通チャネルのコンビニなので。
いわば、垂直型。商品開発で言えば、卸としては、消費者のニーズを吸い上げることが出来るし、チャネルとしてはPB商品等の開発で、製品差別化が可能となる。

一方で、ローソンとマツキヨは、チャネル同士の「水平、異業種型」なんです。
つまり、商品開発でのメリットなんて、研究資本の共有化による規模効果くらいしかないんですが、そんなに大きいと思えない。(なぜなら、双方ともチャネルなので、商品開発が占める付加価値は大きくない)

あとは、販売でのラインナップの拡充。
が、本当にあるんだろうか。
ローソンサイドとマツキヨサイドの双方から見てみる。

<ローソンサイドから>
ラインナップを見て分かるように、マツキヨと提携して得られる商品ラインナップの幅は、ほぼ医薬品に限られる。「ラインナップ拡充による市場拡大はあるか」「当該チャネルの競争優位性が発揮されるか」という論点で考える。


まず、市場拡大。
薬をコンビニに買いにいくシチュエーションとしてありそうなのは、「1.真夜中に調子が悪くなり、解熱剤
を買う」「2.立地が便利なところで、通りすがりに胃腸薬などを買う」といったニーズでしょうか。

まず、1のニーズが本当にあるかどうか。軽い解熱剤のようなものは「常備して買う」という購買パターンが染み付いており、これが簡単に覆るとは思えません。(念のため言っておくと、また、重い病気の薬(OTCではない)はコンビニでは売れません)一方で、2のニーズは一定あると思います。実際に、通りすがり客用の少量パックのクスリが最近販売されています。


次に、当該チャネルの競争優位性が発揮されるか。

では、2のニーズは、いつ/どのような場所で発生するのか。
通りすがりなので「朝8時(出勤)から夜20時」の間に、繁華街で・・・・というのがライクリーな気がします。

マツキヨは、朝10時から21時半くらいまでやってます。しかも繁華街にはある。
つまり、外出中にクスリがほしくなる、例えば「下痢止め」「キャベジン的なもの」「車酔い止め」がほしいところにはたいてい、ドラックストアがあるんじゃないでしょうか?


纏めると、ローソン(コンビニ)が医薬品を販売する場合、「立地が便利なところで、通りすがりに胃腸薬などを買う」ニーズに対応できるようになるものの、ドラックストア等に対して強力な競争優位性があるとはあまり考えにくい。(当然、急を要する下痢止めなどのニーズはあると思いますけど。)


<マツキヨサイドから>
さて、今度はマツキヨサイド。
まず、商品ラインナップだが・・・・
これも微妙。

ローソンが売りにしているのは、「弁当」「代金引換サービス」等、まさに利便性が売りのもの。
これらはマツキヨにはそぐわない。
マツキヨで購入されるのは、むしろ、買いだめ系のペットボトル飲料 等だからだ。


むしろ、双方が売っている、日常品(菓子、シャンプー、サプリメント 等)の調達共同化によるスケールメリットがポイントな気がする。

そもそもどちらが多いんだろう。。。。
ローソンはフランチャイズもあるだろうから、単純に売上では比較できないし。
店舗数で見ても、客数が大きく違うだろうからなぁ・・・・

でも、双方にとってかなりのメリットにはなると思いますね。
単純に購買量が倍になれば、代替サプライヤーをチラつかせれば材料費10~20%は減らせますよ。


ということでまったくまとまってないけど、纏め。
彼らが想定しているような「商品開発」「販売」面ではあまりシナジーがないのでは?
逆に、「調達」面ではシナジーがあるんじゃない?

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