2009年11月20日金曜日

ケーススタディのポイント

ケーススタディのポイント



【1】考える基本姿勢
■1-1. 考えるべき点(枠組み)は、イシューからトップダウンで考える。
 (「手元の情報を整理しただけ」による見落としをしない。「書いていな
  いことに気づく」力を養う。)

枠組みとは、考えるべき(押さえるべき)点の全体構造を、モレなく
ダブりなく(MECE)押さえるためのもの。

論点の「枠組み」を考える際は、手元に情報があるないにかかわらず、
”イシューからトップダウンで考える”こと。その上で、「『”○○についての”
情報が足りない』と明確化した上で、探しに行く」姿勢を身につけていく。
加えて、既存の枠組みや一般論を適用して思考停止しないで、詳細化・
具体化する。


■1-2. 情報が足りなくても、スタンスを取る。
 (「情報がないから仮説ができません」と言わない。)

・まず、前項の考えるべき点(枠組み)を考えずに「何についての情報がない」
と特定できないまま、漠然と「情報が足りない」というのは問題外。

・きちんと枠組みを設定した上で、特定された「○○についての情報」が
探してもない場合は、一般常識や業務知識、関連知識を使った上で、
仮の「前提」として、「○○は□□である」と置く。

・仮置きした「前提」は、未確認事項として明確化しておき、情報が入手
できたら、確認する。


■1-3. 全社視点で考える。
 (部門最適で全社利益を損ねない。)

【2】業界知識: 産業財の新事業開発


■後知恵ですが、Kevlarは結局、当初最も有望だともくろんでいた
タイヤ用途では成功しなかった。
(ごく一部のプレミアム・タイヤのみ採用。)

理由は、顧客のタイヤ製造工程で圧着用の設備投資が必要だった
からでした。素材メーカーは、よく「Kevlar 対 スチール」、「Kevlar 対
グラスファイバー」のような性能比較評価をして、”良いものは売れる”
と考えがちですが、それではいけません。『プロダクトアウト発想』
(独りよがり)でなく、『相手の立場に立って考える』ことが必要。

■「素材メーカー ⇒ 部品メーカー ⇒ 完成品メーカー ⇒ 最終消費者
⇒ メンテナンス事業者」のうち、新素材導入に当たってどこまでを考え
ないといけないのか(デカップリング・ポイント)を見分けることが重要。
 - BtoCよりも、BtoBのほうが、「顧客経済性」を見ることが重要になる!
  ・ 消費者より企業のほうが合理的



■Kevlarが鳴かず飛ばずの間に、DuPontは膨大な投資をして
損失を出しました。タイヤ市場に対してこんな期待を抱いてしまった
のも、「大規模な工場で大量生産すればコストはどんどん下がる!」
という、規模型事業の経済性発想の罠にハマってしまったから。
 -結局は、既存の製造設備がそのまま使えた、「防弾チョッキ」の
素材としての市場が立ち上がった