2009年9月8日火曜日

知的複眼的思考 を読んで

■ 「問い」を立てるとき、どのくらい具体的な問題の中で「なぜ」を問うのかは重要。抽象化された、「概念」は、新しい現象の発見に寄与する。なぜなら、個別のケースの中で考えている限り、そのケースを越え出る問題の広がりに目が向かないため。
 - 今までは一緒にくくられていた事柄を新しい概念によって区別し、その違いを示す
   ・ ジェンダー
   ・ リストラ
    - 企業での人員の整理や配置換えといった現象は「合理化」という概念でくくられていた。しかし合理化の対象は、主に生産現場の労働者だった。それが、80年代以降、企業組織再編が管理部門にも及ぶようになり、ホワイトカラーの人員配置の変更という事態が生じた。このような新しい現象を、より広範な組織変化の中で生じている現象としてとらえるために「リストラ」という言葉が生まれた
 - ばらばらだったことがらに、新しい共通性を見つけてくくりなおす
   ・ セクハラ
   ・ ニート

■ よくわからないまま、抽象的な概念を使っていることがある。「構造」とか、「個性」とか「権力」とか。定義なしで、大きな意味を持つ言葉を使うと、概念が一人歩きしてしまい、思考をとめるマジックワード化する。これらを禁止することで、微妙な意味の違いに気づく。
 - 『』内は、「個性」を言い換えたものである。「画一的な校則の強制は、『生徒ひとりひとりが自分なりのよいと思っている特長』を伸ばすことを難しくする。」「校則などの集団内の規律も、『ひとりひとりが他のヒトとの違いを尊重しながら自分なりのよいところ』を伸ばして行くためには、重要だ」 の二つの文章で使われる「個性」の意味は微妙に異なるわけだ。
 - 個性とひとくくりにしてしまうと、それにきづかない

■ 概念の一人歩きをなくすためには、「○○化」として問題を捉える。プロセスを見るために、関係を見る。
 - 主語にすると、あたかもそれ自体を動かしがたい実体のようにみなしてしまうため、その影響を受ける立場に身をおいて考えるために述語で考える

■ 問い自体を捉えなおすことで、問題に意味を与えている文脈を見つけ出し、常識から一歩外に出ることが可能になる
 - 何故、それが問題なのか
 - 問題を立てることで、誰が得をするのか、誰が損をするのか
 - その問題が解けたら、どうなるのか

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